血が通った勉強

お久しぶりです。
梅雨入りは発表されたものの、まだあまり実感はありませんね。
水不足が心配・・・
でも、明日から雨が降るそうです。
夏に着々と近づいていますね。

さて、今回のタイトルは、「血が通った勉強」ですが、
これは私が日々の学習指導を通じて、
「真面目に取り組んでいる割に成果がイマイチ・・・」
な人に共通する特徴の1つとして、
「勉強に血が通っていない!」と感じることがあるので、それについて述べたいと思います。

そもそも、勉強に血が通っているとかいないとか、一体どういうことだろうと思う人が多いでしょう。
そう言う私も、この表現がベストかと聞かれると、正直そこまで自信はありません。
ただ、私が直感的にそう感じたので、こう表現したまでです。
なので、まず私の言う「血が通った勉強」とはどういうことかを説明します。

簡単に言うと、学習内容が自分の頭の中でイメージ出来ているかということです。
具体的なイメージを持ちつつ、抽象的な概念として理解しながら進めているのかということです。
逆に、血が通っていない勉強は、理解もイメージもないまま、字面だけを覚えるやり方です。
「何だかよくわかんないけど、とにかくこれを覚えておけばテストで点が取れるんだね。」
といった具合に、理解することを避けて、単純暗記に走ると、血が通っていない勉強になります。
これができているかどうかは、他人にはなかなかわかりづらいのですが、
高得点を取れている生徒とそうでない生徒では、ここに大きな違いがあることは断言できます。

どの教科にも言えることですが、今回は英語を例に挙げてみましょう。
 Do you have any color pencils?
さて、この英文を和訳しなさいと言われたら、何と訳しますか?
多くの人はこう答えるでしょう。
「あなたは色鉛筆を持っていますか。」
はい、正解です。
この単文を「和訳せよ」と言われたら、これで文句なしに正解になります。
では、この和約は、いかなる文脈・状況においても正しいと言えるでしょうか?
次の英文を読んでみましょう。
Mike needed color pencils in the art class the next day.
(マイクは、翌日の美術の授業で色鉛筆が必要でした。)
But he didn’t have ones.
(しかし、それを持っていませんでした。)
So he went to the stationery store.
(そこで彼は、文房具店に行きました。)
He asked the clerk, “Do you have any color pencils?”
(彼は店員に、「                       」と尋ねました。)
はい、先程と全く同じ英文ですが、
先程正解とした「あなたは色鉛筆を持っていますか。」をそのまま当てはめるのが適切でしょうか?
下線部だけを見て、そこにある単語の意味を文法に従って機械的につなぎ合わせればそうなるでしょう。
そして、そういう訳を書いてしまう人が非常に多いのです。
you という英単語の意味は確かに「あなた」です。
しかし、日本語の「あなた」は、話している相手方個人を指す代名詞ですが、
英語の you は、もっと広い意味を持ちます。
この文脈・状況をきちんと把握していれば、
ここでの you は、店員さん個人ではなく、お店を指していることがわかるはずです。
そして、ここでの have は、所有しているかではなく、売り物としてこの店にあるかを意味します。
つまり、辞書に書かれている第一義をそのまま当てはめたら不適切になる場合、
どんな訳語が適切かを柔軟に考えることが必要になります。
これが、私の言う「血が通った勉強」です。
こう言うと、「えっ、そんなに難しいことが必要なの?」と言う人が結構いますが、
決して難しいことではありません。
色鉛筆が必要で文房具店に足を運び、
店員さんに、「あなたは色鉛筆を持っていますか?」なんて聞く人がいますか?
英語を学習する学年であれば、文房具店に買い物に行ったことくらい何度もあるでしょう。
その時に、買いたいものがあるかどうかを店員さんに聞くという経験もあるでしょう。
この英文に出てくるマイクは、まさにその状況です。
その状況をイメージしていれば、何ら難しいことではありません。
しかし、状況を全く考えず、無機質に
「you →あなた」
「have →持っている」
と機械的に当てはめただけの訳語を作った人。
あなたの勉強には血が通っていません。
そんな勉強をしていても、面白くないし成果も期待できません。
文章は、内容がわかるから面白いのです。
筆者の言いたいことがわかるから続きが気になるのです。
きちんと血が通った勉強で、面白さを感じながら進めることが成果につながります。
私も、高校生の頃、成績不振から目先の得点を上げることだけに頭が行って、
血が通っていない勉強をしていた時期がありました。
当然、成果は上がらず、ますます勉強が嫌いになるという悪循環に陥りました。
だから、そうなっている人を救いたいというのが、私の切実な思いです。
思い当たる人は、すぐに改善を図りましょう。
具体的にどうしたらよいかわからない人は、いつでも相談に乗ります。
今回は英語を例に取りましたが、他の教科にも言えることです。
他の教科の具体例は、次回以降に取り上げたいと思います。
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